スタッフ

尾関 哲也
【教授】 |

辰巳 泰我
【特任講師】 |
教育・研究
- 脳腫瘍や各種がんへのDDS
- 結核治療のための経肺投与ナノ粒子DDS
- 難溶解性・難吸収性薬物の製剤設計
- バイオ医薬品のためのDDS
- 骨の再生医療のためのDDS
研究概要
Drug Delivery System(DDS、薬物送達システム)とは、薬物を「必要とする部位」へ、必要な量」で、「必要な時間」送達し、医薬品を最も有効で、副作用が少なく、患者に優しい製剤として、薬物投与の最適化を目的としたもので、現在の薬物治療のみならず、今後発展が期待される遺伝子治療や再生医療においても不可欠な技術です。
薬物送達学分野は、合理的なDDS製剤を創製する創薬の総仕上げを行う研究分野です。私達は、ナノサイズの粒子設計による新しい機能を付与したDDS製剤を創る(造る・作る)研究を行います。
1) 脳腫瘍や各種がんへのDDS:
悪性脳腫瘍のグリオーマは、周囲の脳組織へ浸潤するため、全てのがん細胞の摘出は困難です。私達は、抗癌剤や細胞透過性ペプチド+癌抑制ペプチドを封入したナノ・マイクロ粒子を設計し、これらを脳腫瘍内に注入して、そこからがん細胞へ薬物を長期にわたり送達するシステムを開発しました。
2) 結核治療のための経肺投与ナノ粒子DDS:
結核は20億人が感染している世界最大級の感染症です。結核菌は肺胞マクロファージ内に潜伏して生存し続けます。私達は、抗結核薬の肺胞マクロファージへの標的化ナノ粒子の設計を試みています。肺への送達性が高く、患部での滞留性が良く、標的である肺胞マクロファージへの取り込み性が高い、より治療効果の高いDDS粒子の設計を目指します。(図1)
図1 我々が創ったナノ粒子を取り込んだラット肺胞マクロファージ
3) 難溶解性・難吸収性薬物の製剤設計:
現在創薬現場では、水に溶けない故に吸収されず、薬として使えない化合物が多数出ています。これらの化合物を微粒子にすると溶解に有効な表面積が粒子径の2乗に比例して増大し、水溶性が増します。私達はナノ粒子化によって難溶解性・難吸収性化合物を吸収させて薬にする研究を行っています。(図2および図3)
図2 独自に開発したスプレーノズル
図3 One-Stepで調製した薬物ナノ粒子(右)が分散したMANナノ粒子(左)
その他、骨の再生医療のためのDDS、バイオ医薬品のためのDDS、マラリア治療のためのDDSなども行う予定です。
連絡先
〒467-8603 名古屋市瑞穂区田辺通3-1
名古屋市立大学 大学院薬学研究科 創薬生命科学専攻
生命分子薬学講座 薬物送達学分野
TEL & FAX 052-836-3463
薬学研究科広報委員会
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