名古屋市立大学 大学院薬学研究科・薬学部
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シドニー大学への初の学生派遣ほか

 本年度の国際交流活動では、交流協定を締結して5年目を迎えたシドニー大学(USYD)健康科学カレッジへの初めての学生派遣を実施できたことが特筆される。また、15年に及ぶ実績を積み重ねてきている南カリフォルニア大学(USC)薬学部との交流についても、例年通りに学生の派遣(臨床薬学研修)を実施したほか、Wincor准教授(副薬学部長、学外交流担当)の訪問を受け、着実な交流活動を行うことができた。
USYD健康科学カレッジとは、2002年3月に交流協定を締結して以来、教員レベルでの交流(教育・研究に関する意見交換等)を行いながら、学生の派遣・受入や研究協力等の可能性について協議を続けてきたが、初めての学生派遣の実施に漕ぎ着けることができた。ただし、受け入れ側のUSYDにとっても初の試みであることから、無理のないように約1週間の短期間とし、10月中旬(10月16日から20日)に行った。参加者についても、大学院生5名の小規模なものとした。また、平嶋教授(生体超分子システム解析学)が、本学側の担当者としてUSYDのChan准教授(薬学部の国際交流担当者)とスケジュール等の細部の調整に当たると共に、研修に同行した。初日の歓迎行事及び薬学部をはじめとする大学内の見学の後、2日目と3日目は、オーストラリアの薬学教育、薬剤実務、医療制度等に関する講義を受ける一方、薬局見学(2日目)及び薬学部の基礎系研究室の見学(3日目)といったスケジュールをこなした。4日目は、USYDの臨床薬学部門のあるSt Vincent's Hospital(提携病院)を見学し、5日目は、再び大学にて意見交換等のセッションを行い、研修を締めくくった。研修参加者は医療薬学関係の専門用語を含めて英語の定期的な勉強会を行ってから出かけたが、現地でのコミュニケーションには苦労が多かったようである。しかし、それでも、異文化に触れ、有意義な研修、交流の機会とすることができたようである。なお、オーストラリアでは、4年制(1年程度の教養教育及び若干の実務研修を含む)の大学薬学部(B.Pharm.課程)を卒業後、1年間の実務研修を経て薬剤師試験の受験資格が得られる。また、2004年には、薬学部以外の学部卒業生を受け入れて薬剤師受験資格を与える2年制の大学院修士課程(M.Pharm.課程)も開設された。最近になって導入されたものではあるが、オーストラリアの薬学教育制度の特色であり、4年制の専門職大学院(Pharm.D.課程、実務研修を含む)のみの米国の制度や、原則として薬学部の6年制課程のみの日本の新制度とは異なっている。国によって社会的背景等が異なることもあり、薬学教育の制度も多様である。日本の諸事情を踏まえ、参考にすることができればと思う。
USC薬学部での臨床薬学研修は例年通りに8月末から9月初めにかけての約2週間(8月28日から9月8日)の日程で実施され、7名の大学院生が参加した。内容的にもほぼ例年どおりで、導入講義を受けた後、USC薬学部学生(4年生)の実務研修に組み込んでもらい、大学及び地域の病院薬剤部や薬局等での研修を受けるというプログラムであった。また、この研修には名城大学薬学部、東京薬科大学薬学部、富山大学薬学部の学生も参加しており、これらの国内他大学の学生との交流という面でも有意義な研修となっている。
なお、例年9月下旬から11月上旬にかけてUSC薬学部からの研修生を受け入れているが、本年度は研修希望者がなかった。本研究科のほか、市立大学病院薬剤部、近隣の病院薬剤部や保険薬局の協力も得て研修を行い、日米の研究、教育、実務の相違などについて相互に理解を深め、意見を交換する機会として協力施設の諸先生方からも好評を得ているところであり、来年度にはまた本学での研修を希望する学生があることを期待したい。
USCからの研修生がなかったのは残念であるが、Wincor准教授に本学を訪問して頂くことができた。12月19日の1日のみではあったが、本研究科教員との意見交換、学生との交流を行ったほか、市立大学病院薬剤部も訪れて頂いた。Wincor准教授の来学は初めてであったが、臨床薬学研修に際して多くの学生が同准教授にはお世話になってきており、名古屋で再会し、交流を深める良い機会となった。
以上、USYDへの初の学生派遣が実現し、同大学との交流の一層の活発化が期待されるところである。USCとの交流も含めて、今後も関係各位のご協力ならびにご支援をお願い申し上げたい。

薬学研究科国際交流委員長 湯浅博昭(薬物動態制御学教授)

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