名古屋市立大学 大学院薬学研究科・薬学部
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南カリフォルニア大学薬学のとの交流

 11年目に入った南カリフォルニア大学(USC)薬学部との交流は、本年度も順調であった。教員および学生の派遣を予定通り行ったほか、USC教員の来 学もあった。また、昨年度末(3月)に交流協定を締結したオーストラリア(豪州)のシドニー大学(USYD)健康科学カレッジとは具体的な交流活動についての協議を進める一方、医学研究科と共に中国(中華人民共和国)の南京医科大学との交流協定を新たに結んだ。
USC薬学部での臨床薬学研修には、7名の大学院生のほかに1名の卒業生が参加した。日程は8月19日から30日までの約2週間で、定宿となっている Kawada Hotelに滞在し、名城大学薬学部、東京薬科大学薬学部、富山医科薬科大学薬学部からの参加者と共に研修を受けた。詳細については学生代表による報告に 譲るが、導入講義を受けた後、USC薬学部学生(専門課程4年生)の実務研修に組み込んでもらい、大学および地域の病院薬剤部や調剤薬局での研修を受けるというのが概要である。研修の合間には息抜きの時間も十分に与えられている。
参加者は、歓迎会などのイベントや自由時間も利用して、英語によるコミュニ ケーションに慣れ、国際的感覚を養ってくれたものと思う。

 USC薬学部からは、2名の女子学生(Sheryy Kim、Piyada Tanya Yacharn)を研修生として受け入れた。(9月29日から11月10日までの約6週間)
本研究科の薬物動態制御学、製剤設計学、生体超分子システム解析学、生薬学、中枢神経機能薬理学、生体防御機能学の各分野のほか、市立大学病院薬剤部、名古屋大学医学部附属病院薬剤部、名古屋処方箋調剤薬局(平 針)、北薬調剤薬局の協力も得て研修を行い、日米の研究、教育、実務の相違などについて相互に理解を深め、意見を交換する機会とした。USC薬学部での研 修に参加した8名の学生及び卒業生には、さらに交流を深める機会としてもらった。一方で、新たに交流に関心を持つ学生が増え、交流の輪を広げてくれることも期待したい。
昨年度はテロ事件の余波で、見送った教員派遣についても、本年度は再開することができた。 四ツ柳教授(製剤設計学)が9月中旬から下旬にかけての10日間の日程でUSCを訪問し、研究と教育の最近の動向についての意見交換などを行った。

 USC薬学部からは、4月中旬にMichael B. Bolger准教授の来学があり、Computational Biopharmaceutics: In Silico Models for Drug Discovery and Development"と題する講演をしていただいた。薬物体内動態予測のためのコンピュータープログラム開発とその創薬及び医薬品開発への応用に関する話題で、非常に興味深いものであった。薬物の血中濃度推移を中心とした体内動態の解析(薬物速度論)の分野では、従来から数学的モデルが汎用されており、またコンピューターの活用も不可欠であるが、そのモデルをさらに発展させ、各種臓器内から細胞内での薬物動態までシミュレートできるようにしようとい う動きが目立ってきている。また、その用途についても、従来は投薬計画設計への利用が中心であったが、創薬および医薬品開発への活用をも意図したものに大きく変貌しつつある。この動きは日米を問わず急速に活発化してきているが、その一端を垣間見ることのできる講演であった。
USYD健康科学カレッジとの交流については、11月にトロント(カナダ)で開催されたアメリカ薬学会年会の折りに、私(湯浅)がHak-Kim Chan准教授(薬学部の国際交流担当者)と会い、具体的な交流活動についての協議を行った。当面は、教員レベルでの相互訪問を行いながら、学生あるいは博士研究員の受け入れや研究協力の可能性等を模索することになるであろう。

 11月には、南京医科大学の陳学長ほかが来学し、本学の医学研究科および薬学研究科との交流協定に調印した。これは、かねて医学研究科がアジアにおける 交流提携先として検討、交渉にあたってきたものであるが、南京医科大学側の要望を受け、薬学研究科も加えていただくこととなった。薬学研究科ではこれまでも中国からの留学生を少なからず受け入れてきているが、新たに交流提携先を持ったことで、中国との交流に弾みがつくことを期待したい。
10年余りに及ぶUSC薬学部との交流が充実しつつある一方で新たな提携先を相次いで得たことにより、国際交流に広がりが出来つつある感じがする。今後も関係各位のご協力ならびにご支援をお願い申し上げたい。

薬学研究科国際交流委員長 湯浅博昭(薬物動態制御学教授)

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