薬用植物園


薬用植物利用の手引き

薬用植物を利用するための基礎知識と身近な薬用植物

目 次

まえがき

第1部 薬用植物利用の基礎知識

第2部 身近な薬用植物

まえがき

 名古屋市立大学大学院薬学研究科薬用植物園には、1年のうちの4日間の一般公開の時をはじめ、薬学部が主催する公開講座の開催日や、その他いろいろなグループ・サークルの見学会などの機会に多くの市民の方々がお見えになります。このような機会に、「薬用植物を健康づくりに活用したいと思ってはいるのだが、具体的にどのように使っていいのかわからない」、「具体的な使い方を教えてほしい」という声が寄せられます。一般公開の折には、個々の薬用植物についての解説はお話しするのですが、時間の関係でなかなか一つ一つの薬用植物の使い方までには触れることができません。
本小冊子では、民間薬や漢方薬の原料として古くから広く使われている代表的な薬用植物を52種類選び、その使い方を解説しました。これらの薬用植物は、わが国での長期にわたる使用経験のあるものであり、いずれも効能が確かで、比較的安心して用いることのできるものです。また、その大部分は当薬用植物園でも展示栽培されていますので、一般公開の折にでも、実物と見比べながら、その使い方を学んでいただくことも可能です。
薬用植物は「くすり」であって、「食べ物」ではありません。従って、種類を間違えたり、分量をとりすぎた場合はもちろんのこと、そうでなくとも、稀ではあると思いますが、思わぬ副作用が出現することも予想されます。安心して用いるものを選んでいるとはいえ、使用にあたって、また使ってみて何か調子がおかしければ、ただちに使用を中止して医師や薬剤師に相談してください。
この小冊子が、薬用植物を上手に活用した健康づくりに少しでもお役に立てば幸いです。また、本書をより良いものにするために、ご意見やあるいはご感想、あるいは実際に薬用植物を使ってみてのご経験を寄せていただきますよう、お願いします。
本小冊子における各植物の写真および解説の大部分は、平成13年度名古屋市立大学特別研究経費の助成を得て、名古屋市立大学名誉教授 水上 元 先生が撮影、執筆されたものに、牧野の写真を追加、加筆したものです。また、植物の写真の一部は、広島国際大学教授 神田 博史先生から提供をうけています。本小冊子の発行に理解と協力をいただきました名古屋市立大学薬学部事務室にお礼申し上げます。

2015年4月1日
名古屋市立大学大学院
薬学研究科生薬学分野
牧 野 利 明