文部科学省委託事業「社会人の学び直しニーズ対応教育推進事業委託」

講座内容

平成22年度(第三期)講座内容詳細

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講義コースのご案内

薬学教育6年制になって:これからの薬剤師への期待
【日時】平成22年5月13日(木)19時~21時
【メイン会場】名古屋市立大学薬学部
【講師】名古屋市立大学 臨床薬学教育研究センター 松永 民秀
【内容】薬学教育6年制になって今年で5年目、最も目玉である長期実務実習がいよいよ始まろうとしています。薬学教育6年制への変更は薬剤師のみならず、他の医療職にとっても興味深く、どのような薬剤師が出てくるのか大変期待されています。しかし、現場の薬剤師にとっても薬学部でどのような教育を受けた学生が実務実習に臨むのか、今一つ分からないのが実情ではないでしょうか。また一方では、出生率の減少に伴う大学進学者の減少に加え、規制緩和による薬学部の定員増と不況の相乗効果で薬学部への進学者が急激に減少していることは薬剤師の将来に暗い影を落としています。今回の講義は、薬学教育6年制になって薬学部がどのように変わってきたかを紹介するとともに、我々薬剤師が薬学部の学生にどのように対処し、それからどのようなことが期待できるか共に考えてみたいと思います。
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すぐに役立つ!大規模臨床試験データの見方と考え方
【日時】平成22年5月22日(土)14時~16時
【メイン会場】名古屋市立大学薬学部
【講師】名古屋市立大学 病態解析学 藤井 聡
【内容】薬物治療に関する大規模な臨床試験の結果が報告され、時には新聞などでも取り上げられることがあります。しかし皆さんよくご存知のように論文の結論が必ずしも真理とは同じではありません。むしろ、真理に到達するのは容易ではないと思います。正しさがどれくらい確実なのかを批評的に吟味していく必要があります。大規模臨床試験の結果をオリジナルのデータを正しく吟味し、薬の疾病に対する効果や副作用を考察することができれば、服薬指導を行う現場の薬剤師業務にとっても有効です。今回の講義では、薬剤師が通常に手にいれられる論文を使用して、正しく結果をみていく手技を学びます。1)代表的な論文を利用してデータを吟味する、2) 結果を日常の業務にどうやくだてるかについて学びます。難しい話はありません。どうか気軽に参加してください。
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薬剤師のためのEBMの実践:医学論文をいかに探し、いかに読み、いかに使うか
【日時】平成22年5月22日(土)16時~18時
【メイン会場】名古屋市立大学薬学部
【講師】東京北社会保険病院 臨床研修センター 名郷 直樹
【内容】EBMのステップに沿って以下のことについて学習する
1. EBMの5つのステップ
2. PECO
3. 真のアウトカム
4. 5Sアプローチ
5. PubMed検索と日本のガイドライン
6. 歩きながら論文を読む法
7. 論文結果を患者に伝える
参考図書 ステップアップEBM実践ワークブック(南江堂2009)
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粉から考える医薬品製剤設計~ナノテクノロジーとの融合~
【日時】平成22年6月26日(土)14時~16時
【メイン会場】岐阜薬科大学附属薬局
【講師】岐阜薬科大学 製剤学 戸塚 裕一
【内容】散剤、顆粒剤、カプセル剤、錠剤、粉末吸入製剤、注射用凍結乾燥製剤など医薬品には様々な剤形が存在することは誰にでもよく知られています。これらすべてに共通するキーワードは'粉'です。一見するとありふれた、'ただの粉'にしか見えない中にどれだけのテクノロジーとサイエンスが隠されているかを患者様に説明できる薬剤師がどのくらいいるでしょうか?(実は講演者も一部を理解しているに過ぎませんが)見過ごしてしまいそうな粉の中に隠されたナノサイエンスの話、患者様によりよい薬を提供するために設計されている粉について、ミクロな視点から解説します。
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緑内障の病態とその治療戦略
【日時】平成22年6月26日(土)16時~18時
【メイン会場】岐阜薬科大学附属薬局
【講師】岐阜薬科大学 薬効解析学 嶋澤 雅光
【内容】緑内障は,『視神経乳頭,視野の特徴的変化の少なくとも一つを有し,通常,眼圧を十分に下降させることにより,視神経障害の改善あるいは進行を阻止しうる疾患』と定義されており,本邦における中途失明原因の第1 位を占める失明疾患である.40歳以上の平均有病率は約5%、20人に1人が罹患していることが疫学調査により報告されている(多治見スタディー)。緑内障の治療には薬物療法、レーザー治療、外科手術の3種類があるが、いずれも眼圧を下降させることを目的とした治療法である。近年、様々な眼圧下降剤が開発されており、治療の選択枝も増えてきている。本講義では緑内障の病態、その治療戦略の現状と将来期待される治療アプローチについて解説する。
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分子標的製剤とDDS製剤
【日時】平成22年7月10日(土)14時~16時
【メイン会場】静岡県立大学薬学部
【講師】静岡県立大学薬学部 医薬生命化学 奥 直人
【内容】ヒトゲノムが解明され、それぞれの病気が分子レベルで理解できるようになってきた。そこでこれまでの対症療法でなく少量で特異的に病因となる分子を標的とする製剤が開発されてきた。分子標的製剤としては細胞内の特定分子に働く低分子製剤、細胞表面の受容体や体液中の生理活性物質の働く抗体医薬品、特定分子の発現を抑える核酸医薬品などが市販され、あるいは開発されつつある。本講演では特にがん治療に重点を置いて分子標的製剤とはどのようなものかについて概説する。また従来からの薬物を使いながら、標的的細胞に特異的に送達する方法論は、副作用を軽減し、薬効の増強が図れる。あるいは薬剤の患部での徐放化により、投薬回数を減らす工夫などもなされている。 これらの薬物送達システム(DDS)を利用した製剤が開発されてきた。本講演では特に副作用の強い抗がん剤などを例にとり、DDS製剤がどのように用いられているかについて概説する。
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心不全の分子標的療法の開発
【日時】平成22年7月10日(土)16時~18時
【メイン会場】静岡県立大学薬学部
【講師】静岡県立大学薬学部 分子病態学 森本 達也
【内容】心不全は増加しつつある虚血性心疾患、高血圧性心疾患の最終像であり、この問題を解決することは社会的、臨床的に極めて重要である。我々は内因性ヒストンアセチル化酵素(HAT)活性を有する p300 と GATA 転写因子群の協力(p300/GATA経路)が心不全発症における遺伝子発現調節に極めて重要であり、心不全治療の重要なターゲットであることを見出した。最近、健康食品やカレーに用いる香辛料として使用されている天然物ウコンの主成分であるクルクミンがp300の特異的アセチル化阻害作用を持つということが明らかになったが、我々はこのクルクミンが心不全の進行を抑制することを高血圧性心疾患ならびに心筋梗塞後の2つの慢性心不全ラットモデルにおいて証明した。 本講義では、心不全の原因、病態、症状から治療までの教科書的な知識や臨床試験の結果に加えて、私たちの最新の研究を紹介する。  
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最近の動脈硬化研究
【日時】平成22年8月19日(木)19時~21時
【メイン会場】岐阜薬科大学附属薬局
【講師】岐阜薬科大学 生化学 松永 俊之
【内容】心疾患や脳血管疾患など動脈硬化症患者数は年々漸増しており、悪性新生物とともに二大国民病とも呼ばれる。動脈硬化症は生活利便性の向上、食生活の欧米化や生活習慣の乱れなどの日常生活に密着した様々な要因によって高齢者に頻発する疾病と考えられてきたが、最近ではストレス過多による壮年層への増加が深刻な問題となっている。動脈硬化症は脂質代謝異常症や糖尿病などの生活習慣病に起因して発病するため、本疾患の薬物治療では血栓溶解剤や脂質代謝異常症治療薬、降圧剤などの組合せにより原因疾患にあわせた治療法が選択されるが、最近では新たな分子標的に対する治療薬も開発されつつある。本講義では動脈硬化症の発症機序や病態、 その治療法について最近の動脈硬化研究の知見等を交えて概説する。 
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炎症反応における蛋白性メデイエーターIL-1の役割と制御
【日時】平成22年8月28日(土)14時~16時
【メイン会場】名古屋市立大学薬学部
【講師】名古屋市立大学 生体防御機能学 小野嵜 菊夫
【内容】炎症反応とは感染、怪我、紫外線、放射線、化学物質などの有害な刺激に対して生体が示す一連の反応です。炎症反応は基本的には生体にとり有用な反応ですが、慢性的な反応は非常に多くの慢性炎症性疾患の原因となります。従って、炎症の起こる機構を理解することは薬を扱う薬剤師として重要なことであります。今回の講義は、炎症反応に重要な役割を果たしているサイトカイン、インターロイキン1(interleukin 1:IL-1)の生体における多彩な働きと、それを制御することが炎症性疾患の治療に有効である例を紹介したいと思います。 
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創薬とDDS製剤 ―より有効な剤形を考える―
【日時】平成22年8月28日(土)16時~18時
【メイン会場】名古屋市立大学薬学部
【講師】名古屋市立大学 薬物送達学 尾関 哲也
【内容】薬の原末が、そのままの形で投与されることはほとんどなく、何らかの形に加工(製剤化)されて我々の身体に適用されます。製剤の歴史は古く、紀元前3000年~2400年頃の古代メソポタミアのシュメール文明に記録があります。この頃の薬は生薬そのもので、液剤、粉薬(散剤)、塗布(軟膏剤やローション)、坐剤などの剤形がありました。近代になって薬効成分が化学合成あるいは天然物から精製された医薬品が主になると、錠剤、注射剤、カプセル剤などの剤形が加わりました。これらの剤形は全く理由なく決められているのではありません。本講義では、我々が身近に目にする剤形を挙げてそれぞれの特徴について解説します。また、薬が最も有効に働くために工夫された製剤(ドラッグデリバリーシステム)について、いくつかの例を挙げて説明し、さらに最新の薬、今後期待される薬についても触れたいと思います。 
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テーラーメイド医療の臨床応用
【日時】平成22年9月16日(木)19時~21時
【メイン会場】静岡県立大学薬学部
【講師】静岡県立大学 臨床薬効解析学 伊藤 邦彦
【内容】同じ薬を服用した場合でも、人によって薬が効きすぎたり、効きにくかったりする場合があることが知られています。それが、薬物代謝酵素や薬物受容体、薬物輸送担体などをコードする遺伝子の変異による機能の低下あるいは欠損が原因のひとつとして考えられています。あらかじめ、患者さんにおける薬剤応答性に影響する遺伝子変異の有無、すなわち遺伝子多型を把握できれば、薬物治療を行う際に、適切な薬剤の選択と用量及び用法の設定が可能になるものと期待されます。これにより、患者さんが、効かない薬をただ漫然と服用することを避けることができるとともに、薬剤費の負担を軽減することにもつながります。本講義では、「テーラーメイド医療の臨床応用」について、「抗癌剤」と「消化器用薬」にフォーカスをあて、薬効や副作用発現と遺伝子多型の関係や遺伝子解析の臨床応用の例などについて解説していきます。
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実習コースのご案内

「快適な医療を提供するための創剤―グミ製剤の調製―」
【日時】平成22年7月3日(土)13時~18時
【メイン会場】名古屋市立大学薬学部
【講師】静岡県立大学 実践薬学分野 並木 徳之
【内容】 苦い薬を服用することは、子供でも、大人でも、いやなことです。苦い薬を子供に飲ませるお母さんのご苦労は、昔も今もかわりません。そこで、苦い薬をお菓子のグミに混ぜたグミ製剤を調製し、患者さんに快適な医療を受けていただくための工夫について実習を行います。グミ製剤はゲル化製剤ですので、お菓子ではなく、"おかしな薬"ですから、医薬品製剤としての均一性、安定性そして再現性が必要となります。そのために、ゼラチンや糖アルコールなどの原料ブランド、純度などを厳選し、画一化した製造方法で厳密に調製します。しかし製造とはいっても、製薬企業のようなハイテク設備や機器を使用せず、病院、あるいは薬局にある備品を利用して調製することができ、また、経験や熟練を必要とせず誰が調製しても臨床で使用できる水準のグミ製剤をつくることができる処方と製造方法にしてありますので、みなさん、安心して、楽しく気軽に参加してください。
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「高齢者支援に必要な知識と技術パート1 知っておきたい生体患者情報:バイタルのとらえかた」
【日時】平成22年6月12日(土)13時~18時
【メイン会場】名古屋市立大学薬学部
【講師】名古屋市立大学 藤井 聡、岡田 浩美、鈴木 匡
【内容】患者のバイタルサインをモニターし、薬の作用状況や副作用を考察することができれば、特に高齢者や在宅患者への服薬指導を行う現場の薬剤師業務にとても有効です。今回の実習では、薬剤師が通常に手にいれられる、あるいは販売できる器具を使用して、患者の生体情報を得る手技を学びます。1)人体シュミレータを利用しての聴診器の使用法、2)血糖測定器の使用法、3)パルスオキシメータの使用法、4)電子体温計の測定方法、5)血圧計の使用法などを実際の器具を使用して習得するとともに、各測定器の注意点や測定値の見方を学びます。測定値の変化や外部要因による影響などを考察するため、運動していただいたり、糖分を摂っていただいたりしますので、動きやすい軽装で参加ください。
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薬物代謝酵素の遺伝子多型解析 「テーラーメイド医療にむけた薬理遺伝学」
【日時】平成22年8月1日(日)、8日(日)13時~18時
【メイン会場】名古屋市立大学薬学部
【講師】名古屋市立大学 岡田 浩美
【内容】薬物に対する生体応答には個体差が認められており、その薬物反応の多様性には遺伝子多型が関与していることが知られています。投薬前に遺伝子多型を調べることによって、薬物の反応性、動態、副作用の発現が予測できれば、個人に応じた安全で有用な薬物治療(テーラーメイド医療)が可能となり、その重要性が注目されています。そこで本実習では基礎的な遺伝子多型解析手法の習得を目的とし、1)口腔内粘膜からDNAを抽出、2)PCR法で解析する遺伝子(薬物代謝酵:CYP2C19)を増幅、3)制限酵素処理による遺伝子多型の検出(RFLP法)を行います。さらに、実習に関連した遺伝子解析に必要な試料・試薬類の扱い方や、マイクロピペット、遠心機、電気泳動装置などの取り扱い方について学んでいただく予定です。2日間で1コースとなっていますので、お間違えのないようにご参加下さい。
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アドバンストバイタル実習 -こんな時あなたならどうする?-
【日時】平成22年9月11日(土)、10月3日(日)13時~18時
【メイン会場】名古屋市立大学薬学部
【講師】名古屋市立大学 藤井 聡、岡田 浩美、鈴木 匡、飯塚 成志
【内容】バイタル:アドバンスト
患者のバイタルサインをモニターし、薬の作用状況や副作用を考察することができれば、高齢者や在宅患者への服薬指導を行う現場の薬剤師業務にとても有効です。今回の実習では、昨年のバイタル実習を基礎として薬剤師が知っておくべき知識と技術を深めます。心肺蘇生の方法、特に自動体外式除細動器(じどうたいがいしきじょさいどうき、Automated External Defibrillator, AED)の使い方を学びます。AEDとは何か、なぜAEDが必要なのか、どのようにAEDを使うかなどについて学び、身近に実際に置かれているAEDをいざというとき使えるようになります。そのほか日常業務で遭遇しうるすみやかな判断と対処を必要とする状況について、バイタルサインをはじめとするヘルスアセスメントを、シミュレーターを用いて実習形式で学びます。昨年未実施の呼吸機能検査や脂質検査もご紹介します。軽装でご参加ください。
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TDM「薬物血中濃度測定値の解析と投与設計支援」
【日時】平成22年9月4日(土)13時~18時
【メイン会場】静岡県立大学薬学部
【講師】岐阜薬科大学 杉山 正、中村 光浩、堀内 正 他
【内容】現場の薬剤師が患者の病態や薬物血中濃度に基づいた治療的薬物モニタリング(TDM)を理解し実践できることは、薬物治療の個別化において大変重要なことです。今回の実習では、製薬企業が無償で提供している血中濃度解析ソフトを用いた簡単な投与計画の立案法を学びます。1)TDMに必要な患者情報および臨床的背景を診療録や薬歴から読み取るコツを身につける、2)血中濃度解析ソフトを用いて薬物動態の基礎を学ぶ、3)抗MRSA薬バンコマイシン解析ソフトを用いた投与計画の立案を体験する、4)抗MRSA薬アルベカシン解析ソフトを用いたTDMを体験する、5)医療スタッフに情報提供する態度および提案方法を学ぶ。以上の項目について、日々の業務に役立つような情報を交えながら実習を行っていく予定です。なお、パソコン、解析ソフトはこちらで用意させていただきます。
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IT「初心者のためのパソコンを利用した情報収集演習」
【日時】平成22年9月25日(土)13時~18時
【メイン会場】名古屋市立大学薬学部実習棟
【講師】名古屋市立大学 鈴木 匡、前田 徹
【内容】本演習は、パソコンを利用した情報収集初心者の方が、Web検索の基礎を学ぶ研修です。 まず医薬品情報の基礎的事項の講義を受けたのち、各人に1台ずつのパソコンで早速インターネットを利用した情報検索を体験いただきます。最初に「検索」の方法について実際の例をモデルに一緒に学んでいただき、たくさんの情報検索サイトをご紹介いたします。その後、課題を提示いたしますので、各人でパソコンを使用して医薬品の情報を探し解決していただきます。情報をまとめて資料を作る課題と、実際の現場でありそうな質問に対しパソコンで得られる情報を駆使して解決するクイズ形式の2種類をご用意いたしますので、医療現場で実際に役に立つ技術を身につけていただけるのでないかと思っております。  会場や具体的内容等につきましてご質問などございましたら、リカレント教育センターまでメールか電話にてお尋ねください。
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