Home >  ポスドク・大学院生募集:先輩からのメッセージ

先輩からのメッセージ

当研究室の卒業生にこの研究室のお薦めポイントなど、アドバイス頂きました。

中野 駿(製薬企業勤務)

私は薬学研究科博士前期課程を修了後、製薬企業に入社して5年目を迎えており、入社以来所属している安全管理部門にて副作用情報の収集・評価、添付文書の改訂及びその情報提供活動に携わっています。
大学院ではナショナルレセプトデータベースを用いて安全対策措置の効果を検証する疫学研究に取り組んでいましたが、疫学研究の素養をつけるために疫学論文を読み漁った経験は、業務の中で薬剤疫学論文を適切に解釈し内容を吟味する必要がある場面でとても役立っていると感じます。当時、客観的な目線で効果を検証した「安全対策措置」ですが、今では措置を実施する立場となって視野が広がってきたため、当時の研究の中でもっと改善しておけばよかったと思う点が見えてきました。 臨床寄りの研究をされている方は特に、現場に出なければわからないノウハウレベルの知識などを吸い上げることも研究を膨らませるための重要なファクターですので、ぜひ利用できる先輩は最大限に利用しつつ、世間をあっと驚かせる研究結果をリリースしていただけると、卒業生としてもうれしい限りです。

井口 祐美子(名古屋市立大学病院 薬剤部)

学生時代は医薬品による皮膚障害の発症メカニズムに関する研究に取り組みました。本研究室の特徴はデータベースを取り扱うドライ研究といわゆる実験系を行うウェット研究のどちらも行っていることです。私の研究テーマはウェット研究でしたが、頭金教授のご厚意もあり、ドライ研究からもアプローチすることができました。両方だなんて欲張りですが、学生時代にどちらも経験できたのはとても貴重でした。
私が在籍していたときは臨床試験や統計解析に関する勉強会が開催されるなど、卒業後も役に立つ知識を得られる場でもありました。他の研究室の友達が必死に就職活動をしているときにそんなの知ってるもんね~、と鼻が高かったのを覚えています(笑) 今は大学病院で薬剤師として働いています。小児科病棟を担当していることもあり、文献検索する機会も非常に多いです。自ら気になって調べることもありますし、医師や看護師からご相談頂くこともあります。用量設定だったり副作用対策だったり、他にも服薬方法など…内容は多岐にわたります。そのたびに書籍や文献を調べるのですが、論文の読み方ひとつとっても研究室で身につけた基礎力に支えられていると思います。
残念ながら就職してからはなかなか研究活動に取り組めていないのですが、患者さまが安心して医療を受けられるよう、患者さまの苦痛を少しでもとることができるよう、今後も研究の視点を忘れることなく精進していきたいと思います。 ここまで育てていただき、頭金教授はじめ丁寧に指導してくださった先生方、互いに切磋琢磨した仲間達には感謝の気持ちでいっぱいです。素敵な研究生活を本当にありがとうございました。