バイオシミラー(抗体医薬)の新規DDS医薬品に関する研究

 バイオシミラーは、バイオ医薬品(各種タンパク医薬品)の後続品ですが、我々は、先発品のバイオ医薬品のもつ課題点を改善したり、もしくは違う用途に応用できる可能性を探るために、DDS研究で用いられる基剤・キャリアとバイオシミラーを組み合わせた新規医薬品の開発を目指しています。抗体医薬品やタンパク医薬品の中には血中半減期が短いものが存在します。我々は、ラニビズマブバイオシミラーの短い眼内半減期を改善するため、生分解性徐放性のポリマー基剤(PLGA)を用い、バイオシミラー含有PLGAマイクロ粒子の調製を行いました。また、長期に渡って眼内においてバイオシミラーを放出しつづけるような一つのモデルを提案しました(Tanetsugu et al., BPB 2017)。別のアプローチとして、極小金ナノ粒子(5 nm)表面にバイオシミラーとポリエチレングリコールを結合させ、眼内においても比較的滞留性を持つことが期待される機能性ナノ粒子を調製しました(Hoshikawa et al., JDDST 2017。下図にコンセプト図。https://doi.org/10.1016/j.jddst.2017.01.004)。

2022年04月26日