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本事業の概要

本事業では、ゲノムバイオマーカーを活用した個別化医療技術を用いて、分子標的薬の有効性と安全性についての新規評価法を確立し、革新的医薬品の開発を迅速化することを目的としています。併せて、国際共同治験における日本人を対象にした安全性評価を、ゲノムバイオマーカーを用いて効率的に行う評価法の確立を目指します。

これらの研究成果を基にして、有効性と安全性評価のためのゲノムバイオマーカーの利用方法や、国際共同治験での安全性における民族差の評価方法に関するガイドライン案を作成します。

これらの研究事業は国立医薬品食品衛生研究所および医薬品医療機器総合機構との共同研究として実施されます。また、本事業の一環として、名古屋市立大学は国立医薬品食品衛生研究所および医薬品医療機器総合機構と人材交流を行います。

具体的な研究計画は下記のようになります。

1) Mogamulizumab (抗CCR4抗体) の有効性と安全性に関するバイオマーカーの探索研究
抗腫瘍活性を目的とした分子標的薬であるMogamulizumabを用い、成人T細胞性白血病/リンパ腫(ATLL) 患者および固形がん患者を被験者とする2種類の臨床試験を実施する。患者より調整したゲノムおよび血漿検体を用いて、有効性および安全性に関するゲノムバイオマーカー(遺伝子多型、mRNA、microRNA等)を探索する。
(2) Melphalan+Prednisolone+Bortezomib(MPB)療法を受けた多発性骨髄腫患者における効果と末梢神経障害、間質性肺疾患の発症を予測するバイオマーカーの検討
Melphalan+Prednisolone+Bortezomib(MPB)療法による臨床試験を実施し、患者より調整したゲノムおよび血漿検体を用いて、有効性および安全性に関するゲノムバイオマーカー(遺伝子多型、mRNA、microRNA等)を探索する。
(3) 免疫性副作用に関する多民族でのゲノムバイオマーカーの探索研究
重篤な副作用である免疫性副作用(薬物性肝障害や間質性肺炎等)を対象にして、申請者らが集積済みの日本人、欧米系民族、東アジア系民族患者検体を用いて、副作用の発症と関連するゲノムバイオマーカーを探索する。

バイオマーカーを活用した分子標的薬の有効性、安全性の効率的評価法の確立

バイオマーカーを活用した分子標的薬の有効性、安全性の効率的評価法の確立