研究活動
1.臨床漢方薬理学 (Clinical Pharmacology of Kampo Medicines)
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2.植物細胞分子生物学と代謝工学 (Molecular & Cellular Biology of Plant Secondary Metabolism) |
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生薬には植物由来のものが多く、その有効成分の多くは二次代謝産物と呼ばれる天然有機化合物です。植物が生産する二次代謝産物は5万種を越えるとされ、その化学構造は極めて多岐にわたっており、様々な生理活性を有することから、医薬品の原料や機能性食品の素材となるほか、色素や香料などの食品添加物、化粧品などにも応用されます。これら二次代謝産物の大量生産と安定供給のために、植物培養細胞による物質生産が試みられてきています。そこで私たちは、様々な植物培養細胞を用いて二次代謝産物の生合成を担う酵素の単離と機能解析をすることにより、物質生産効率を目指した研究を行っています。 さらに、それらの生合成酵素の特性を分子レベルで解析して、新しい生理活性物質生産への応用も目指しています。そのために、二次代謝系がどのようにコントロールされているのか、また生産された二次代謝産物がどのように蓄積もしくは分泌されるのかについても焦点をあてています。このように植物がもつ二次代謝系を総合的に研究することで、植物の持つ独自の能力を有効に利用し、有用物質生産に貢献したいと考えています。
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3.天然物化学と合成生物学 (Natural Products Chemistry & Synthetic Biology) |
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天然物化学は、生物活性天然物の単離構造決定ならびに生合成研究を主体とする創薬科学の原点です。当分野では、遺伝子工学的手法により糸状菌の潜在的な生合成能力を引き出すことで、新規化合物を創出し、様々な生物活性スクリーニングに供する独自の化合物ライブラリー構築を進めています。また植物内生糸状菌を活用し、宿主植物由来の稀少有用物質に関する生合成研究の加速化を目指しており、これら有用天然物の生合成遺伝子を自在に操ることで、微生物による環境低負荷型の大量物質生産を実現する合成生物学的研究に取り組んでいます。
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4.天然薬物素材の品質管理学 (Quality Control for Natural Medicaments)
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![]() ホソバオケラの遺伝子解析 生薬名:蒼朮 用部:根茎 薬能:芳香化湿、燥湿健脾 |
最近の主な研究成果
1. | Ishiuchi, K. et al., 18β-glycyrrhetyl-3-O-sulfate would be a causative agent of licorice-induced pseudoaldosteronism. |
Scientific Reports in press, 2019 [Nature] |
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2. | Morinaga, O. et al., Isolation of a novel glycyrrhizin metabolite as a causal candidate compound for pseudoaldosteronism. |
Scientific Reports 8 15568, 2018 [Nature] |
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3. | Yamada, A. et al., A glucosyltransferase specific for 4-hydroxy-2,5-dimethyl-3(2H)-furanone in strawberry. |
Bioscience, Biotechnology, and Biochemistry 83 (1) 106-113, 2019 [Taylor & Francis] |
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4. | Ishiuchi, K. et al., Identification of Lycopodium alkaloids produced by an ultraviolet-irradiated strain of Paraboeremia, an endophytic fungus from Lycopodium serratum var. longipetiolatum. |
Journal of Natural Products 81 1143-1147, 2018 [ACS] |
2009年業績
2010年業績
2011年業績
2012年業績
2013年業績
2014年業績
2015年業績
2016年業績
2017年業績
2018年業績
2019年業績