名古屋市立大学大学院薬学研究科・薬学部English SAMPLE COMPANY
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光反応性を応用した光制御型ONOO-ドナーの開発

ONOO-(パーオキシナイトライト)は、一酸化窒素(nitric oxide : NO)とスーパーオキシド(superoxide : O2-)が非常に素早く反応して発生する活性酸素の一種です。酸化力が強く、様々な病気の一因になると考えられていますが、最近では生体の機能維持に必要な因子であるということもわかってきました。
ONOO-は不安定な物質であるため取り扱いが難しいため、生体での作用を調べるためにはONOO-を発生する供与化合物(ONOO-ドナー)が用いられます。しかし、これまでに用いられてきたONOO-ドナーは自発的に分解してONOO-を発生する仕組みだったので、ONOO-の作用を調節したりして細かく調べることが困難でした。


光で制御可能なONOO-ドナー

そこで私たちは、光によってコントロールできるONOO-ドナーの開発を目指して研究を行いました。このような光制御型ドナーは、狙った場所だけで活性化させることができるので、作用を細かく調節でき、ONOO-の強い活性を利用した、新たな抗がん剤としても期待できます。
これまで、光によってNOの発生をコントロールできる化合物はいくつか知られています。これらを光によってNOと同時にO2-も発生できるような構造に変換しました。そして世界で初めて、光によって制御可能なONOO-ドナーを開発することに成功しました。
[発表論文]
Chem. Commun. 47, 6449-6451 (2011).
J. Am. Chem. Soc. 134, 2563-2568 (2012).

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