名古屋市立大学大学院薬学研究科・薬学部English SAMPLE COMPANY
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脳保護薬Edaravoneがもつ優れた抗酸化能力の化学的解明

脳保護薬edaravoneは、世界で初めてラジカル消去能を効能として認可された日本発の脳梗塞治療薬です。Edaravoneの作用機序の1つは、脳梗塞に関わる有害因子であるフリーラジカルを消去して脳細胞を保護することにあります。
しかし、edaravoneのラジカル消去能の強さが、どのような化学構造の特性に基づいているかは、詳細に解明されていませんでした。


当研究室では、様々なedaravone誘導体を合成し、構造・物性上の特徴と、ラジカル消去活性を詳しく比較することにより、活性に重要な二つの性質、電子密度と酸性度、が「一方を強化すると他方が弱くなる」という逆相関の関係にあることを発見しました。


このことからedaravoneは両性質のバランスがよくとれた優れた化合物であることがわかりました。
そしてさらに研究を進めて、活性に重要な二つの性質を両立させる(一方を弱くせず他方も強くする)ように、分子内塩基を導入する方法を見つけ出しました。これにより、edaravoneよりも10倍以上ラジカル消去活性の高い化合物を見いだしました。

[発表論文]
Bioorg. Med. Chem. Lett., 16, 5939-5942 (2006).

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