牧野 利明

博士(薬学)、薬剤師
名古屋市立大学大学院薬学研究科生薬学分野 教授
北海道大学大学院薬学研究科 非常勤講師
瀋陽薬科大学 客員教授
台北医学大学 客員教授

English version is here

横浜市出身、
京都大学薬学部製薬学科卒業、
京都大学大学院薬学研究科薬品資源学分野(本多義昭教授)博士後期課程修了、
博士(薬学)取得、
北海道薬科大学漢方薬物学研究室(鹿野美弘教授)のもとで助手、講師、
ミシシッピ大学薬学部天然薬物研究センターにて訪問博士研究員、
名古屋市立大学大学院薬学研究科生薬学分野(水上 元教授)のもとで講師、准教授を経て
現在に至る。

研究テーマ

漢方薬学
 漢方薬は、生体が本来持つ自然治癒力(生体恒常性維持機能、ホメオスタシス)を補助することにより治療効果を発するとされており、西洋薬の薬理試験法が適用できないケースがある。また、さまざまな疾患に対して漢方薬が適用され有効性を示すことがあるが、それに対する個々の配合生薬の役割はほとんど明らかになっていない。このような漢方薬の薬理作用を科学的に解明することにより、漢方薬におけるエビデンスを明らかにしていく。

 ・人参養栄湯のオキサリプラチン誘発神経障害性疼痛に対する緩和作用
 ・七物降下湯の腎機能改善作用
 ・小青竜湯の抗アレルギー作用における配合生薬の役割
 ・鉱物生薬の漢方処方への配合意義に関する研究
 ・ブシの神経障害性疼痛に対する緩和作用
 ・ブシの筋萎縮に対する改善作用
 ・修治による甘草の薬能の変化に関する研究

臨床生薬学、臨床漢方薬理学
 医師の9割以上が漢方薬を使用し、一般市民の約8割が何らかのサプリメントを使用しているとされる現在、生薬・漢方薬においても医療薬学、臨床薬理学が求められている。しかし『生薬成分の体内動態』『生薬と医薬品の相互作用』のような臨床応用研究は、生薬学者が行わずに他の分野の研究者が行うケースがほとんどであり、生薬の特長が生かされていないケースがままある。そこで、生薬学の知見をふまえた医療薬学、医薬品情報学、臨床薬理学研究を行いたい。

 ・漢方薬の副作用発症メカニズムに関する研究
 ・漢方薬と西洋薬間の医薬品相互作用に関する研究

生薬学
 生薬学とは、本来は「生薬」を医薬品として正しく使用するために必要な情報を開拓するための実学である。「生薬」に関する品質管理方法の開拓および医薬品情報を医療現場に提供するとともに、同じ天然素材を原料とする健康食品・ハーブ製品として流通する商品についても、同様の品質管理技術、効能に関する情報学が応用できる。

 ・東アジア各国の薬局方での生薬の名称と基原の比較
 ・単味生薬の効能の標準化案の提示
 ・生薬ハンゲのイガイガに関する研究
 ・生薬素材の食薬区分に関する研究
 ・アメリカ薬局方における生薬利用の歴史

著書等
『漢方・中医学講座−臨床生薬学編〜生薬の生産から臨床応用まで』医歯薬出版
『いまさら聞けない生薬・漢方薬』医薬経済社

受賞等
平成16年 日本薬学会北海道支部奨励賞
平成17年 イスクラ漢方研究奨励賞
平成21年 東海皮膚科漢方研究会安江賞
平成21年 日本生薬学会学術奨励賞
平成25年 日本東洋医学会奨励賞
平成29年 和漢医薬学会学術貢献賞
令和2年 日本生薬学会学術貢献賞

学会活動等
・日本薬学会
・和漢医薬学会(評議員、平成17年度〜)
・日本東洋医学会(代議員、医療安全委員会委員、平成30年〜:生薬原料委員会委員、平成30年〜:辞書編纂委員会委員、令和2年〜)
・国際東洋医学会(副事務局長、理事、日本支部事務局長、日本支部理事、2014〜)
・日本生薬学会(学会誌編集委員、平成21年〜;代議員、平成26年〜:財務理事、令和4年〜)
・日本食品化学学会
・日本薬物動態学会
・日本薬理学会
・日本社会薬学会
・日本薬史学会(中部支部常任幹事、平成22年度〜:評議員、平成24年度〜)
・世界中医薬学会連合会 (中薬化学専業委員会常務理事、2012〜;中薬鑑定専業委員会副会長、2014〜)
・生薬分析シンポジウム(世話人、平成18年度〜)
・東海漢方協議会(理事、平成19年度〜)
・日本漢方交流会(理事、平成20年度〜)

講演履歴

研究業績

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