2-8) 西田智
 USCのキャンパス周辺にはいくつかの病院が存在し、USC薬学生の臨床研修の場として利用されている。私は、USC Health Science Campus に隣接しているL.A. CountyHospital で研修を受けた。この病院は低所得者層向けの病院で、無料の診察および治療を受けることができる。国民皆保険制度が存在する日本とは異なっている。
アメリカでは錠剤、カプセル剤のピックアップや注射剤の調製作業などはテクニシャンが行い、薬剤師は監査のみを行う。患者の様態に応じた薬物の選択や投与量の設定など薬物治療における様々な問題に対して薬剤師と医師が頻繁にディスカッションしている光景が見られ、チーム医療が非常に進んでいると感じた。USCの薬学部では6週間×6回の臨床実習があり、担当患者の薬物治療全般について実践的に学んでいく。Clerkshipを通して日本とアメリカの医療システムの違い、薬学教育の違いそして薬剤師業務の違いなど、多くのことを学び、またそこから日本の薬学制度の特徴や問題点などについて考える機会をもてたことは非常に有意義であると思う。
USC薬学生には様々なところへ連れて行ってもらい、アメリカの文化を肌で感じることができた。加えて
研修は四大学合同で行われ、交流を深めることができた。アメリカの薬学部との教育システムの違いだけでなく、日本の大学間でも臨床教育に対する考え方や対応が違っており興味深かった。臨床研修や講義だけでなく、USCの学生や他大学の学生との交流を通して多くを学び、良い経験ができたと思う。