2-10) 藤野薫俊
 臨床研修プログラムの初日から3日目まではclerkshipに向けての言わば準備段階でした。私は4回のclerkshipの内3回はUSC university hospitalにおいて、1回はUSC Healthcare Consultation Centerにおいて行われました。
 USC university hospitalでは薬剤師の病棟業務および調剤室業務をlevel4の学生について見学しました。病棟では臓器移植患者が入院しているICUへ行き、患者に投与するTPN製剤をカルテに記載されている臨床検査値などを参考にオーダーする様子を見ていました。ドクターと回診する様子も見学しました。また調剤室では調剤設備やコンピュタ‐を利用したmedicationの管理システムを見学しました。日本ではおそらく見られないであろう、余った抗生物質を無駄のないように再利用可能なキットを使用していたことが印象的でした。
テクニシャンの存在もまた強く印象に残っています。薬剤の調製などをテクニシャンに任せることで薬剤師本来の専門知識を生かした業務に集中することができ、合理的であると思いました。
 USC Healthcare Consultation Centerでは薬剤師が外来患者のcareをおこなっている様子を直に見学しました。十畳ほどの広さのオフィスに外来患者がきてmedicationに関して薬剤師に相談し、また薬剤師がキットを使ってプロトロンビン時間を測定するなどしていました。ワルファリンを服用している患者ばかりでしたが、日本で言う「ワルファリン教室」ではなくて内科医が患者を診察するという印象に近いものでした。
 今回のプログラムに参加して、私は長期にわたる研修により米国の薬剤師が高い知識を身につけていると感じました。日本でも、薬科大学の教育課程の改革により臨床研修が増加したとき、高い知識をもった薬剤師が養成されることを期待しています。