2-2) 鈴木忠明
 USCの薬学の4年生は、USCのキャンパス内もしくは近くの病院で6週間×6回の薬剤師業務についての実習を受ける。Clerkship初日の午前中、私たちは4年生2人とその学生の担当教授に連れられてUSC内の病院(County)を見学させてもらった。
 4年生はそれぞれ担当の患者をうけもっており、ほぼ毎日担当患者の病室へ行き(とはいえ重症患者のため口をきくことが、できなかったのだが)患者の血圧・体温や、血糖値・血球数等の臨床検査項目をチェックする。これらのデータはコンピューターに入力されており、IDがあれば端末から呼び出すことができる。その後4年生は担当患者の臨床データと投薬状況を教授に報告し、その事についてディスカッションをした。このディスカッションは学生が納得するまでずっと続き、教授も学生も真剣そのものであった。このように学生のうちに担当患者を受け持ち、真剣にケアし教授とディスカッションすることは、薬剤師になってから必ず役に立つと思った。午後からは大学の教室に戻って、教授と4年生と一緒に将来のこと、学生生活のこと、日本のことなどについて話をした。例えば薬剤師の初任給はアメリカでは1000万円を超えるそうである。日本がその半分以下だと伝えると大変驚かれていた。自分の英語力が乏しく、話が止まってしまうこともあったが、日米の文化や考え方の違いについて交流ができてよかったと思う。今回の研修プログラムの中で私が一番に感じたことは学生が担当患者を受け持っていたことの驚きと、またそのことに対して学生が責任感を持ち一生懸命勉強していると強く実感した。自分のこれからの人生において貴重な経験になったのは間違いないと思う。