C. Psychiatry
 County Hospitalでは週に1度外来の精神科に通院している人を対象に、薬剤師が勉強会を開いており、それに参加させてもらった。この勉強会は毎週異なるテーマで開かれており、私が参加した日は「自分の服用している薬について」というテーマであった。目的はそれぞれの患者の診断、服用中の薬、その副作用について理解することである。参加者は15人の予定だったが実際は10人であった。場所は病院内の教室のようなところで、それぞれが自由に椅子をもっていきお菓子や ジュースを食べながら参加できるようになっていた。最初に薬剤師の先生から説明をを受け、その後にUSCの学生1人に対し患者2人という組になり個別に相談できるものであった。患者は自分の服用している薬を持ってきたり、薬の名前を書き出した紙を 持ってきており、みんな興味深そうに話を聞いたり質問をしていた。 この勉強会の来週のテーマは「骨粗しょう症について」であり、原因や予防法、治療 について話があるようであった。精神科内にとどまらす様々な病気に対する予防法、 治療法を知ることは健康を維持していくために重要なことだと感じた。日本において外来の患者に対して病院がこのような勉強会を開く、という話を聞いた事がなかったので大変驚いた。またこの勉強会を薬剤師が主催していることに驚いた。 日本では精神科はまだ医師が多くの役割を担っているが、アメリカは薬剤師も患者の治療に直接参加している事を知り薬剤師としての役割について改めて考えさせられた。 また患者に対して様々な教育をしていくことにより患者の関心が高まり、薬のコンプライアンスの向上、さらに一次予防へとつながっていくと感じた。
 この後、County Hospital内にある薬剤師の先生の個室に案内してもらった。この部屋は精神科の専門書やカルテがたくさん置かれていた。ここで学生はそれぞれが受け持った患者のカルテを渡され、カルテの重要な部分を書き写していた。USCの学生からアメリカの精神科では精神分裂病の患者が多くまたその多くがホームレスであると聞いたことがあり、精神科では特に患者の生活や性格などから、その疾患の原因をつきとめ治療にあたることが大切なことであると感じた。