2-1) Community Pharmacy
アメリカにおける医療の風景  USC main campus構内とUniversity hospitalに隣接する薬局を見学させていただいた。その職員は薬剤師、調剤補助をするテクニシャン、レジなどの店内業務を行う店員で構成されていた。ここの薬局の1日の取り扱い処方箋枚数は200〜250枚であり、調剤、OTCのほか日用雑貨品も取り扱っていた。ただし敷地が狭いのであまり多くは置いていなかった。薬局の調剤においては患者ごとに調剤済みの薬を入れるBoxが設置してあった。この患者ごとのBoxは7日間使用されなかったら名前をはずしてほかの患者のBoxとして使用することになっていた。薬剤師は主に調剤された薬の監査をすることが仕事であり、そのほか処方箋に記載されている薬剤をそろえるのはテクニシャンと呼ばれる人の仕事であった。また日本に おいて錠剤、カプセル剤などの固形製剤は
1錠ごとに包装してあるが、アメリカではプラスチックのケースにまとめて必要日数分入れたものを患者に渡していた。 調剤過誤をなくすためのシステムとしては薬剤が入ったケースについているバーコードを読み取らせると同じ薬剤が自動的に機械から出てくる自動販売機のようなものを導入していた。これは日本で散剤の入ったビンにバーコードをつけて調剤過誤を防止するシステムによく似たものであった。薬局における
サービスとしてはツベルクリン反応、血糖値、血圧、骨密度、血中 コレステロール値の測定などがあった。このうち今回は骨密度測定について見せて いただいた。骨密度測定とは言っても足にクリームを塗って測定器に入れるだけの簡単なものであった。
  この結果をもとに薬剤師は患者にカルシウム剤を勧めたりしていた。日本で薬剤師は患者に触れるということが出来ない。 しかしカリフォルニア州では薬剤師は患者に触れることが出来る。そのために、このようなサービスが薬局でも可能である。ただし同じアメリカでもニューヨーク州では日本と同様に薬剤師が患者に触れることは出来ないということであった。