2-8) City of Angels medical center & County Hospital
    (Psychiatry)
 私は今回のアメリカ研修中に2つの病院の精神科を見学させてもらう事ができた。29日はUSCの学生と City of Angels medical centerの薬剤師の方に病院内を案内してもらった。
 まず、最初に朝のミーティングに参加させてもらい、その後薬剤師による、患者のカウンセリングに立ち合わせてもらうことができた。カウンセリングは小さめの個室で行われ、通常患者一人に対して薬剤師一人で行い、場合によっては薬学部の学生がそれに加わるということであった。カウンセリングでは患者の体調や薬の服用状態、副作用の有無などの他にも患者の家族についてなども話されていた。

 カウンセリングを見学させてもらって感じたことは、アメリカの薬剤師がやっていることは日本では医師がやっていることではないかということであった。私の知っている範囲では、日本の精神科領域においては医師の役割が大きく、薬剤師はどう患者にかかわっていけば良いのかというような状況であると思われる。それに比べ、アメリカでは精神科における薬剤師の役割がとても大きく、重要なものであるということを実感した。30日にはUSCの薬学部の隣にあるCountyの精神科を見学させてもらうことになった。そこでは、薬剤師の方に病院内を案内してもらった。そこで、その薬剤師の方の個室に案内され、薬剤師の個人専用の部屋があるということに驚かされた。部屋には、その部屋の薬剤師が担当している患者のファイルがたくさん積んであり、部屋の雰囲気も私の知っている日本の病院の薬剤部とはかなり異なっていた。その部屋で、患者の薬暦やカルテを見せてもらえたが、カルテはSOAP形式で書かれており、薬暦の取り方も日本と特に違いは見られなかった。
 またその他、薬剤師の方が行ったプレゼンテーションの原稿も見せてもらった。通常の薬剤師としての業務だけでも、担当している患者の量から考えて、かなり大変なものではないかと思われるのに
それに加えてそういった発表もしていかなくてはいけないというのは、本当に薬剤師という仕事は大変なものなのだなということを改めて実感した。
 精神科を案内してもらっている時、USCの学生が精神科は本当に大変で、麻薬中毒者などがいたりして怖く、「自分は精神科の薬剤師にはなりたくない」というような事を話してくれたことがあった。確かに2つの病院の精神科を実際に見学させてもらって、精神科での薬剤師の仕事はとてもやりがいがあるものだろうと思われたが、それと同時に中途半端な気持ちでは絶対できないであろうと思われた。
 今回、12日間という短い研修期間ではあったが、その間に色々な所を見学させてもらい、とても有意義な時間を過ごせたと思う。