2-6) Norris cancer center
 薬局は病院内に一階と二階にあった。一階は外来患者用、二階は入院患者用であった。まず入院患者について、入院していても4-5日で退院するようだった。がんの診断と、IVHに混ぜた化学療法や放射線療法など、疼痛ケアを主に行っていた。
化学療法歴については各患者ごとプレメディ、化学療法剤と投与量、投与日、白血球数、他に例えばシスプラチン使用時に必須の投与翌日の腎機能などの検査などをシートに記入してとっておくそうだ。
投与当日、それまでの薬歴をみながら化学療法剤を調整、監査する。テクニシャンが使用の1−2時間前に調整し二人の薬剤師が監査していた(これについても監査終了の記入欄あり。サインでこの旨にかえる)さらに使用前に看護婦が監査するようだった。調整時のバイアルに残った化学療法剤は一日の終わりに一括して捨てるが、捨てる際何ml廃棄するのか必ず明記していた。
入院患者の処方箋について、オートメーションの輸送システムで処方箋が送られてきていた。場合によっては手渡しのこともあった。
 原則で注射も内服も、投与前24時間以内から受け付けるが、もし処方箋に不手際があった場合
薬剤師が医師に電話して確認をとれば麻薬であっても薬剤師が訂正することができるようだった。IVHについて、医師によりオーダーが入ると、薬剤師が検査値などから妥当性を検討しもしデータが足りなければ検査を提案しそこで妥当性が証明されれば、薬剤師と医師が投与計画を練り、投与を開始していた。
 次に外来患者についてだが、化学療法を行う患者は入院より外来の方が多いとのことだった。余談であるが抗ガン剤の副作用に脱毛があるが、かつらを病院内で買う事ができるそうだった。外来患者の棟は肺がんセンター、クリニック、デイホスピタル(イスにて、ベッドにて)にわかれていた。
ここで行っている化学療法については医師が処方し、薬剤師がその妥当性を認めれば薬剤師が計画を練り直し、医師に進言する。必要であれば医師は OTCも処方していた。プロトコルが決まっている為
ここには週末はないといっても良いとのことだった。最後に、麻薬の取り扱いについてであるが、保管の際は施錠する。破損・事故について、届け出は不必要で監査が入った際に証明できる文書があればよいとのことであった。麻薬に関して、処方箋は通常の薬と同じく2枚複写だが、様式は異なっていた。
処方箋の用紙に返却分なども記載するが、番号が付されておりそれによって管理していた。
事故により回収できなかった場合、各種書類をそろえて病院が管理していた。監査が入った時に提示すればよく、役所に届け出る必要などはないようだった。数の確認については出入時記入、週に一回全体の数を確認するそうだった。