2-4) V.A. (veteran affair) west L.A.  A 病棟見学
 研修3日目、9時にKAWADAホテルのロビーでDr.Besinqueと会い、 Blueバスでサンタモニカまで行った。午前中はサンタモニカで各自自由に過ごし、午後からはBlueバスでロサンゼルスの西にある VAHospitalに行き、そこを見学させてもらった。病院内を Dr, Cooperが案内してくれてその後入院患者用と外来患者用の病棟の見学2グループに別れた。私は、入院患者用の病棟の見学をさせてもらうことになった。入院患者用の病棟の見学は、さらに各階に2人づつ割り振られ、そこからはその階の担当薬剤師の方に病室や ICUなどを案内してもらった。
見学させてもらってまず驚いたのは、 VA Hospitalでは各階に1つずつ薬剤師用の部屋があり、そこに薬剤師が少なくとも1人とテクニシャンの人が常にいるという事であった。日本では大抵1階に薬剤部があり、薬剤師は全員そこにいて、病棟活動の際には1階の薬剤部から各病棟へ出向くということになる。しかしアメリカでは、病棟担当の薬剤師が常にその病棟にいるという状況に、やはり日本よりかなり進んでいるということを実感した。また日本における薬剤師の仕事の中には「調剤」というものはまだ大きな位置を占めているが、アメリカでは調剤はほとんどがテクニシャンの人が行っており、夜間など人がいない時などを除いては、薬剤師の仕事は調剤後の監査のみであるということであった。アメリカではテクニシャンを 養成する学校があり、薬剤師を雇うよりもテクニシャンを雇う方がコストも安くなるためということである。 また、病棟にある薬剤師用の部屋ではコンピューターを使いオンラインで提携しいる他の病院と様々な情報を交換しているシステムを見学させてもらった。
その後は外来患者用の病棟も見学させてもらった。医師は忙しいので、プライマリーケアとして、簡単な相談は薬剤師が受けているということであった。アメ リカの薬学部では、こういった日本では医師が行うような仕事も薬剤師が行えるような教育を行っている。日本では薬剤師は患者に触れてはいけないが、アメリカでは薬剤師が血圧測定やコレステロールの測定を行うことが許されている。
アメリカでの研修をうけて、日本に比べて薬剤師の役割が大きいということにすご く驚かされた。
しかし、その役割の大きさに見合った教育を受けている事から、考えればこれは当然のことであろう。また、このような教育を受けているからこそ、アメリカでは薬剤師の地位が高いのだということを、実感することができた。私はこれから先、臨床薬剤師になることを目指しているが、この研修期間で見学したこと、学んだことをこれからに活かしていきたいと思う。