2-10) KAIZER
 保険会社から始まり、医療業界に進出したKAIZERを見学させて頂くことができた。
この会社では医薬品輸入、病院・薬局経営、DI、保険まで一括して行っている。大きく南カルフォルニア
北カルフォルニア、カルフォルニア外の3つに分かれる。医薬品については輸入し、病院や薬局への輸送はオートメーション化でコスト削減を計っていた。 小分け製造も発注所にて一括して行うため、発送の際の監査は薬局と同じく不可欠になってくるそうだった。
 オートメーションについて、病院や薬局に対してのみならず処方箋の使用が二回目以降の患者に対して、医師がレフィルを承諾した場合について利用できる調剤所 (central refill pharmacy)も、ここにはある。一日に23,000枚の処方箋を取り扱い、15人の薬剤師が勤務していた。
 このうちの75%は、ばらしても問題がない錠剤であるそうだった。これらは、必要量だけ機械によってボトルに詰められ、ラベルされていた。V.A.のメーリングサービスに似ているが、こちらはかかりつけ薬局に一括して郵送するため患者が朝、処方箋をもっていけば、次の日には薬を受け取る事が出来るそうだった。
 全体的に、コンピューターは1%のミスを犯すが、このミスに対しては薬剤師の手でフォローされるとのことだった。KAIZERのDIについて、FAXサービスや、インターネット(pub med の様なサイトがKAISER独自にもうけられている)、 KAISER独自の医薬品情報集の作成等を行っていた。
 また、薬剤師や医師、看護婦に医薬品の使用法などについて教育する事も行っていた。つまりこの会社のメリットをあげると、医師が保険適用外の薬を処方することがないこと、病院や薬局などの臨床の現場からの声も、内輪からなら届きやすく、保険適用の使用法の拡大の際の手続きが複雑にならずにすむこと、また実際の使用例も調査しやすい。
 調査したい事柄は、即座にホストコンピューターに、インプットされるような体制をとっている。これにより
多くの症例から評価することができることである。