1) はじめに <アメリカにおける医療の背景>
アメリカにおける医療の風景  アメリカの医療の歴史的な背景としては、1980年代に病院経営の悪化から薬剤師の人員削減が行われた。
しかし、それでは質の高い医療を提供できないため1990年代に、調剤における監査以外の仕事を担うテクニシャンが急増し、経営者は人件費を削って医療の質を保つことに成功した。さらに病院のないに医師の常在する場所がなくなり、医師は診療所で患者を診断、病院に呼び出されて出向く形になっている。さて、アメリカの医療保険について、日本と根本的に異なるところは国民皆保険ではなく任意保険であるところである。よって、多くの国民は保険が適用されないため、さほど病状がひどくなければOTCを活用する。
そんな中、薬学生はどのような教育を受けているかというと、2年間の教養課程を経てさらに最後に臨床実習を含んだ4年間のPh. D programを受けると薬剤師になることがここで製薬会社に就職することができるようになる。
さらに割安の給料をもらいながらの1年間のレジデンシーを経て臨床薬剤師となる事ができる。
医療現場において、日本よりも一歩進んだチーム医療を行っており、患者一人に対し医師・薬剤師・看護師は一人ずつつき、チームでケアする。バーコードを利用して、医療従事者の手首や薬剤にそれをつけ、機械でも監査できる病院もある。医療事故を最小限に防ぐことが常に重要である。