フォーカスEye レポート
Pacifichem 2010(ハワイ)への参加・発表報告
文責:樋口 恒彦 [掲載日:2011年7月4日]
環太平洋国際化学会議(Pacifichem 2010)2010年12月15日~21日 ハワイ・ホノルル
5年に一度の太平洋に面した国々(日本、米国、豪州、韓国、中国など)の化学の祭典が、開催されました。ワイキキのヒルトンホテルとシェラトンホテルがメイン会場で、日本からだけで6000人の参加者があり、以前にも増して大規模なものでした。
当研究室からは、樋口と大学院博士後期課程の今村君が参加しました。樋口は、初日の15日に有機化学のSupramolecular Photochemistryのセッションで、"Molecular Radiometer Driven by Visible Light"というタイトルのユニークな機構で可視光照射により回転する分子の開発について口頭発表しました。4件ほどの質問を受け、一定の興味を持ってもらった印象でした。今村君の方は19日に、"Synthesis of helical β-peptides with γ-secretase inhibitory activity"というタイトルで、アルツハイマー症の原因物質と考えられるアミロイドβを合成する酵素を、ヘリカルなβペプチドが強力に阻害することについて、ポスターで発表し、多くの質疑を行いました(写真)。
他にも多くの講演があり、その2ヶ月前にノーベル化学賞を受賞した根岸英一先生の特別講演が盛り込まれていたり、2011年が国際化学年であることを記念式典があるなど、盛り上がりのある学会でした。真冬になって行った日本を抜け出して、しばし南国の別天地の雰囲気とサイエンスを味わえた数日間でした。